限られたリソースの中で1日の訪問件数を最大化するリアルタイム動態管理活用術とは?!訪問診療における活用事例。

  • 会社名

    医療法人社団 杏月会 伊勢原駅前クリニック

  • 業種

    医療・福祉

  • ご担当者様

    黒永雄樹様 田中瞳様

  • 事業内容

    訪問診療・在宅看護

車両管理システムの導入前に抱えていた課題

「SmartDrive Fleet」の導入前に課題と感じていたことを教えてください。

黒永:現在、訪問診療の需要が右肩上がりに伸びていますが、これは高齢化と相関する形で訪問診療が増加している–つまり、通院困難な患者様が増えていることを示しています。国の指針により病院の改革が推進され、どこの病院も在院日数の短縮が進められていることも理由のひとつです。
では、退院された患者さんは、在宅サービスや老人施設、老人ホームでの療養が必要になりますが、お具合によっては、病院の外来に行くことも困難です。ですので、訪問診療という医療の受け皿で、通院困難な患者さんをしっかりと支えていかねばなりません。

現代の訪問診療はテクノロジーも発達しますし、社会問題にもなっている老老介護の役割も担うことができる。それに、訪問診療は病院と違って設備投資も必要ありませんし、労働集約型で医師やサポートするメンバーがいれば運用ができますので、年々、評価が高まっています。国が「受け皿として訪問診療を活性化させる」方針を打ち出し、推進してきたのはここ10年ほどのことですが、一番の課題に感じていることは、全体感として最適な訪問診療が標準化されていないことでしょうか。

- ルールなどもかっちりと決まっているわけではないのでしょうか。

黒永:医療ですので厳粛なルール設定はありますが、それはあくまで治療に対するルールで、医療機関側の運用方法についてはガイドラインがほとんどないと言っても過言ではありません。そのため、何度も実験とテストを積み重ね、成熟させ、訪問診療としての最適な運営方法を作り上げていく必要があります。私たちの創意工夫によって、医療の質が変わる。それは、車両でいかに効率よく安定的に訪問するかということでもありました

導入のきっかけは、車両台数増加による運用体制の整備

- 「SmartDrive Fleet」の導入前に課題と感じていたことを教えてください。

黒永:導入したのは、患者さんが増えて1日1台じゃ回らなくなり、1日に回る車両台数を増やそうと決めたタイミングでした。1台でも思っている以上に大変ですが、車両を2台走らせることになると、運用が煩雑になってしまいます。その前に対策を練らなくてはと、何か良いツールを探していたのです。

患者さまから連絡があった際に、状況やタイミングに応じてどちらの車に連絡し、緊急対応をお願いすべきかがわかること。それは訪問医療従事者にとって、すごく重要なことです。台数が増えたとしても、スムーズな連携は必要不可欠でした。「これから運用が煩雑になるから、先に入れておこう」と。

ちなみに、車両台数が増えると、どのように“煩雑”になるのでしょうか。

黒永:何もツールがない状態で車両を複数台走らせていると、リアルタイムでどこを走っているのかが把握できません。しかし、患者さんからのコールがかかったら、いずれかの車両に向かってもらわなくてはならない。A車に電話したら「まだ、●●にいるから遠くて向かうことができない」、B車「渋滞しているから遅くなりそう」、C車「直ちに向かうことができます」。と、導入前はとにかく電話で一件一件確認するしか手段がありませんでした。片っ端から電話をかけるしかない。それではかなり時間を要してしまいますし、患者さんを待たせることになってしまいます。

黒永:もっと厳密にいうと、A車両、B車両、C車両、それぞれ1日の診療スケジュールが決まっていますので、電話連絡の優先順位を決める手段は診察数ぐらいしかなかったんです。私たちにとっては、いち早く、コールがかかった患家や施設に向かえるか、リアルタイムの位置情報を可視化できるということが、非常に意義のあることです。

それに、訪問医療はケアマネージャー、生活相談員、訪問介護のヘルパー、訪問看護のナースなど、多職種連携で患者さんを支えていきますので、非常に外部連携が多い機関です。そのため、関係者から毎日多くの電話連絡を受けています。つまり、オペレーターは多岐にわたる連絡を受けて、もっとも最短で最適なシーンを見つけ、連絡をしなくてはならないのです。ですから、こうしたツールが必要不可欠になってきます。

ありがとうございます。ちなみに、スマートドライブはどこでご存知になりましたか。

黒永:当時、「名古屋の診療所では所有する車両が増えたから、動態管理ツールとして『SmartDrive  Fleet』を導入する予定なんですよ」という話が出ていました。その話を聞いたのが、たまたま伊勢原駅前クリニックでも車両が2台になるタイミングでもあったんです。私たちも運用体制を万全にするためにツールの導入を検討していましたので、これらがすべて合致して、よし、「SmartDrive Fleet」を導入しようという流れになりました。

最終的にスタッフがどのように活用するかは未知数でしたが、とりあえず試してみようと導入を決めました。

導入してから生まれた効果

導入後はどのような効果がございましたか。

田中:「SmartDrive Fleet」の画面を見れば、移動中の車両がリアルタイムですぐわかりますので、「先生と看護師さんが後ろの席にいるから、今なら直接電話で連絡できるだろう」と瞬時に判断ができます。それが、導入してから一番ありがたいと思っていることです。

基本的には、車両一台につき、医師と看護師さん、事務スタッフ、サービススタッフが乗車します。オンコールの電話はすべて事務所で取りますが、その後、医師と看護師との連携をとる必要がある。しかし、診察中や患者さん宅にいるタイミングで電話をかけてしまうと、手を止めさせることになります。だからこそ、位置情報の見える化は、訪問診療に取っては非常に重要だと考えています。

黒永:診療中に電話が鳴って医師が取らざると得なくなると、診察が中断されてしまいます。そうなると一件あたりの診察時間が余計にかかってしまいますし、医師が診察に集中できない状態を招いてしまう。医師が治療に専念できなければ治療の質を落とすことになりますので、タイミングを見計らうことが重要になるのです。

内勤のオペレーターは昼夜問わず、緊急性があるか、重要性があるか、人命が関わっているコールに多大な注意を払いながら対応しています。そのため、「SmartDrive Fleet」のようなツールを活用し、迅速かつ最適なシーンで連絡ができると、一日の限られた時間の中でより多くの患者さんを診療できるようになる。そのうえ、過剰な人員体制をとる必要もありません。「SmartDrive Fleet」がシームレスな連絡調整を可能とし、診療そのものの質も上がっている。この両輪が言えるんじゃないでしょうか。

田中:また、緊急時のオンコールと連動して、今・どこにいるのか、現在地を確認するときにも活用しています。クリニックに近づいていることがわかった場合、今のタイミングで緊急コールをお願いしたら、そのまま折り返して向かってもらえるかもしれないという判断が迅速にできますし。1分1秒が大事な医療業界において、非常に重宝しています。
患者さま、先生、スタッフ、すべての訪問医療に関わるみなさまのためにも、効率の良く運営するにはテクノロジーをどんどん活用していくべきだと思っています。自動化できる部分は自動化し、みなさんが本来の業務に注力すべきではないでしょうか。


- 「SmartDrive Fleet」を利用する中で、「この機能は便利」というものについて教えてください。

田中:機能としては、リアルタイムでの現在地が正確に分かることが本当にありがたくて。

これは、以前起きた事例です。伊勢原市の隣にある秦野市でお看取りがあり、医師が派遣されましたが、そのお看取りが終わるか終わらないかぐらいの時間にもう1件、同市内でお看取りの連絡をいただいたのです。

急いで「SmartDrive Fleet」を起動させたら、まだその医師が秦野方面にいると分かったため、連絡をしてそのまま向かっていただきました。お看取りはご家族にとって非常に大事な時間でもありますので、簡単に電話を鳴らすことはできません。そうした場合にも、無駄な動きをすることなく2件目のお看取りに向かってもらうことができ、非常に感謝しました。

「SmartDrive Fleet」の活用で今後目指していきたいこと

「こんな機能がほしいな」とか「ここが使いづらい」など、「SmartDrive Fleet」に希望すること、期待することを教えていただけますか。

田中:訪問医療はその日その日によって、今日は誰が乗車し、どこへ訪問するのかが変わります。当日、A車には●●と▲▲が、B車には■■と★★が、というように誰がどの車両に乗っているか情報を可視化させることはできますか?

予約機能がありますので、誰がどの車両に乗るかを事前に登録することができます。

黒永:ここにドライバーという項目がありますが、今は未設定ですね。ここに、誰が乗っているかを登録できればいいのですが。


ドライバーの設定が完了しましたら、車両予約のボタンから「新規予約」を選んでください。 ここでは、Googleカレンダーに登録するようなイメージで、時間の登録ができます。

黒永:今後、ぜひ活用したいのが安全運転診断の機能。訪問診療の車両にとって、安全運転は大事なことです。事故が起きると、診療が止まる。診療が止まると、患者さんの命に影響を及ぼすことになる。だからこそ安全運転を徹底する必要性がありますし、意識を高めていきたいです。