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景気悪化時に企業存続のため、実施すべき対策とは?

連日連夜、世間を騒がせている新型コロナウイルス感染の話題。この数ヶ月で世界中に感染が広がり、一部ではその深刻さから緊急事態宣言によって国境を封鎖したり、入国制限を設けたりする国も出ています。そんな中、さらに警戒感が強まっているのが経済活動です。新型コロナの影響は、体力のある大企業はまだしも、中小企業の経済活動に多大なる景況を与え、「リーマンショックのときと同等か、それ以上かもしれない」とまで言われています。
今後国内の経済が冷え込むことが予想されていますが、中小企業は企業を存続するためにどのような対策が行えるでしょうか。

景気悪化時に企業存続のため、実施すべき対策とは?

新型コロナウイルスによる中小企業の経済への影響は

「中国に大規模工場があるため、生産ラインがストップしてしまった」「人が移動しなくなり、ものが売れない」「イベントが中止で売り上げが見込めなくなった」など、新型コロナウイルスの影響による企業への打撃は計り知れないものになっています。

そこで、東京商工リサーチが2月28日に全国の中小企業174社に向けて行った、「新型コロナウイルス」の影響についてヒアリングした調査では、感染の終息が不透明な中で、各企業が深刻な状態に陥っていることを浮き彫りにしました。

新型コロナウイルスの影響を発生事象別に分類すると、「サプライチェーンに支障」がもっとも高く、約4割(構成比39.0%)を占め、次いで「営業や生産活動、イベント中止に伴う受注・売上減」25.8%、「国内消費不振」13.7%という結果に。

工業製品をはじめ、機械、衣類、食品、雑貨に至るまで、数多くの製品生産を中国に依存する日本企業にとって、中国の生産現場がもたらすサプライチェーンの寸断は想像以上に影響が大きいようです。また、この問題は製造業だけでなく、「中国で建材生産がストップし、メーカーに発注しても入荷せず工事が遅延」(建設業)、「住宅部材の調達難で工事が完工できず、引き渡しができない案件が出ている。顧客との契約で損害金を支払う可能性も」(マンション開発)など、多くの業界に及んでいます。

新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、経営が悪化し、経営破たんをした企業のニュースもパラパラと紹介されるようになりました。そこで、経済産業省は全国の中小企業・小規模事業者の資金繰りが逼迫していることを踏まえ、すでに実施したセーフティネット保証に加えて、危機関連保証を発動すると発表しました。

経済産業省が提示した3つの対策

経済産業省は3月11日、次の3つを新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策としてあげています。

1 資金繰りの支援

信用保証制度、融資制度の両面から事業者の資金繰りを支援。

SN(セーフティネット)保証
経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(最大2.8億円)とは別枠で保証の対象とする支援制度。
セーフティネット保証4号:幅広い業種で影響が生じている地域について、一般枠とは別枠 (最大2.8億円)で借入債務の100%を保証。※売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合
セーフティネット保証5号:特に重大な影響が生じている業種について、一般枠とは別枠(最大2.8億円、4号と同枠)で借入債務の80%を保証。※売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合
5号に係る認定の概要はこちらにてご確認ください。

対象となる中小企業は、本社所在地の市区町村にて認定申請を行ったうえで、希望の金融機関、または最寄りの信用保証協会に認定書を持参し、保証付き融資を申し込みます。

無利子・無担保融資

日本政策金融公庫などが、新型コロナウイルス感染症による影響を受けて業況が悪化した事業者(事業性のあるフリーランスを含む)に対し、資枠別枠の制度を創設。信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げを実施しました。

マル経(小規模事業者経営改善資金融資)融資の金利引き上げ

新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した小規模事業者の資金繰支援のため、別枠1,000万円の範囲内で当初3 年間、通常の貸付金利から0.9%引下げします。加えて、据置期 間を運転資金で3年以内、設備資金で4年以内に延長。

このほかにも、衛生環境激変対策特別貸付などの金融支援策が盛り込まれています。また、金融機関に対しては、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業者の資金繰りに重大 な支障が生じることがないよう、政府系金融機関などに対して計3回の要請が行われています。

2 設備投資・販路開拓

生産性革命推進事業(令和元年度補正予算3,600億円)におい て、新型コロナウイルス感染症による影響を受け、サプライチェーンの毀 損等に対応するための設備投資や販路開拓、事業継続力強化に資 するテレワークツールの導入に取り組む事業者を優先的に支援。

①ものづくり・商業・サービス補助
部品の調達が困難で自社で部品の内製化を図るために設備投資を行う・感染症の影響を受けている取引先から新たな部品供給要請を受けて生産ラインを新設(増強)する ・中国の自社工場が操業停止し国内に拠点を移転するといった場合は生産プロセス改善のための設備投資を支援。
補助上限:原則1,000万円 補助率 :中小1/2 小規模2/3

②持続化補助
小規模事業者の販路開拓等のための取組を支援するもの。
対象 :小規模事業者 等 補助額:~50万円 補助率:2/3

③IT導入補助
事業継続性確保の観点から、ITツール導入による業務効率化等を支援します。
対象 :中小企業・小規模事業者 等 補助額:30~450万円 補助率:1/2

3 経営環境の整備

下請等中小企業に対しての配慮を求める「下請取引配慮要請」や、取引上のお困りごとについてヒアリングを行い、政府の対策に活用する「下請Gメンによる実態把握」などを実施。

運送業は一時的に需要が拡大している

日毎に経済への影響が大きくなり、海外からの輸送荷物の激減で稼働が緩んでいる運送会社が一部いる中、需要過多で人手が足りず、悲鳴をあげる運送業者の姿も。

2月後半に、「国内のトイレットペーパーが不足する」というデマ情報が全国に流れ、ドラッグストアからコンビニにまで人が押し寄せ、一気に在庫が空っぽに。さらにはティッシュやウェットティッシュ、生理用品、飲料、食品にまでその影響がおよびます。いつも利用しているモノが“無い”という状況がさらに人々の不安を煽ってしまったようです。スーパーなどの小売店も在庫を早急に補充しようと発注数を大幅に拡大したことで、業種によっては一時的に発注が増えてトラックの手配が困難な状況になり、納品先の倉庫で荷受けが混乱し、トラックの長時間待機など各種問題が発生。そこへさらに追い打ちをかけたのが、休講やリモートワーク、イベントの自粛などにより、人々の移動が縮小されたことで需要が拡大した、ネットショッピングや宅配サービスの利用です。

運送業界は輸出入の減少や消費活動の鈍化により、荷動きが悪化していると言われていましたが、消費者の買いだめやネットショップ利用の集中により、一時的に通常の倍のトラックが必要な状況が発生しています。しかし、ただでさえ長時間労働や慢性的な人手不足が課題となっている運送業。このような課題に対応しながら、現況を乗り切るには、①助成金による②ITツールの活用がキーポイントになります。

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リモートワークの対応も、運送業務の効率化も。今こそITツールを活用せよ

経済産業省は、先ほど紹介した「新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策」の中で、業務効率化などを支援するために各種補助金を交付するとしています。

一時的にリモートワークを取り入れている企業であれば、遠隔でも商談や会議、ミーティングがスムーズに行えるオンライン会議システム、日々の業務で使用する機能をまとめたグループウェア、作業の進捗を共有するプロジェクト管理ツール、労務管理を行う勤怠管理システムなどがあると、ほとんどの業務が滞りなく進められます。また、物流、とくに運送業や車両を有する企業であれば、車両管理システムが有効です。

業務効率化をあげつつ、事故防止にも寄与する「車両管理システム」


業務効率を上げる
リアルタイムで位置情報が把握できるので、迅速なサービス提供や配送の指示だし、遅延連絡もスムーズ。また、状況によっては近くにいる他車両がサポートに行くよう指示することで適切なフォローも可能に。
事故を削減する
業務量が一気に増えると、「急いで向かわなくては」と急操作が発生しやすくなったり、焦りによって安定した走行ができなくなったりします。急ハンドル・急加速・急減速が発生した箇所がわかれば、管理者としても適切なサポート、注意が行え、事故を未然に防ぐことができるのです。
無駄な移動を削減
自動的に走行時間、走行距離が集計されるので、利用状況をしっかり把握できます。不要な移動、非効率な移動をあぶり出すことができ、営業活動の最適化につなげます。適正な車両台数もわかるようになるので、場合によってはカーリースやカーシェアへの変更も。維持する台数が削減できれば、維持費と駐車場代がなくなり、大幅なコストカットにも繋がるのです。
どんなに忙しくても労働環境は守る!
昨今、働き方改革関連法案の施行により、長時間労働の是正や有給休暇取得の義務化など、限られた時間内での業務を求められています。車両管理システムであれば、走行データにより稼働時間の把握ができるため、乗務回数や乗務時間を見て、最適なリソース配分ができるようにします。

効率を上げながら、無駄をなくす。一時的な繁忙期へ迅速に対応し、経済活動を維持するためにも、運送業界にとっては必要不可欠なツールの一つだと言えるでしょう。

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