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燃費や事故の軽減、環境にも良い?ふんわりアクセルとは

あなたは車を運転する時に、普段から心がけていることはありますか?

自動車メーカーも提唱し運転診断などでも良く見かける、「ふんわりアクセル」に「ふんわりブレーキ」。連日起きている交通事故の防止や燃費の削減、また地球の環境にも守るためにも良いとされていますが、一体どういうものなのでしょうか。

燃費や事故の軽減、環境にも良い?ふんわりアクセルとは

近年広まるエコドライブの波

近年、各自動車メーカーや経済産業省は、地球温暖化の要因のひとつである二酸化炭素(CO2)の発生や、大気汚染の原因のひとつでもある自動車の排出ガスを減らすために、環境に配慮して自動車を運転するエコドライブをすすめています。エコドライブを継続的に実施することで、大気汚染防止や燃費向上、事故防止、さらには走行ルートの改善による使用燃料削減の効果を得ることができるそう。

そこで、経済産業省・資源エネルギー庁はエコドライブ推進マニュアルで、以下の10則を提唱しています。

ふんわりアクセル eスタート
車間距離にゆとりを持って、加減速の少ない運転
減速時は早めのアクセルオフ
エアコンの使用を控えめに
アイドリングストップ
渋滞を避け、余裕を持って出発を
走行の妨げとなる駐車はやめる
タイヤの空気圧をこまめにチェックし点検・整備
不要な荷物は積まずに走行
自分の燃費を把握しよう

この中にあるふんわりアクセルeスタートについては、皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。なんとなく知ってはいるものの具体的にどのように行い、どんな効果があるのか、イメージが漠然としている方もいるのではないでしょうか。なぜふんわりアクセルを心がけるといいのか、また、どんなどんなメリットがあるのかを順番に見ていきましょう。

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ふんわりアクセルを実践してみよう

燃費を向上させる「やさしい発進」の名称をふんわりアクセルと言い、平成17年末に公募した結果、エコドライブ関連4省庁にて構成される「エコドライブ普及連絡会」で決定しました。

この発進方法は、発進から最初の5秒間で時速20キロに達するくらいのやさしい加速を目安としたもの。急発進や急な加速はエンジンに高い負荷がかかり、燃焼温度も上がるためCO2を始め有害なガスの排出量が増加しますが、普通の発進よりも穏やかにアクセルを踏みこむことでエンジンの負荷を下げ、前述した有害なガスの排出量も減らすことができるのです。

発進から5つ数えた後にスピードメーターをチェックし、時速20km/hになることを目安に行いましょう。また、回転計が装備されている場合は、1,500rpm程度で加速し、エンジン音を参考にアクセルを踏み込みます。(車種にもよります。)上り坂の場合は、坂に入ってスピードが落ちてから加速すると燃費が悪化するため、坂に入る手前でアクセルを踏み足して加速をつけましょう。

通常の運転ですと、1km走行する間に98.9ccの燃料消費量中、発進では、33.9ccの燃料が消費されます。しかし、ふんわりアクセルを行うことで、発進での燃料消費は24.2ccに減らすことができ、9.7 ccも削減できるのです。

また、ふんわりアクセルとともに、ブレーキもふんわりと行いたいのがエコドライブ。

急ブレーキではなく、ふんわりとしたブレーキを行うことで、アクセル同様燃料の消費量を抑えることができます。車は慣性でゆっくりと減速しながらも走り続けるので、赤信号が目に入った時にゆっくりアクセルを抜きましょう。そして、十分な距離をとりながら慣性で減速しながら走り、最後の停止直前でやさしくブレーキに足をのせてゆっくりと踏み込みます。
この方法を行うことで、自分の車はもちろん、後続車との追突事故防止にもつながります。さらに、途中で信号が青に変わり停止する必要が無くなる確率も上がり、燃費を悪化させる発進加速の回数を減らすことも可能になるのです。目線は常に前に置き、3台ほど前のブレーキランプを目安にアクセルオフを心がけることがコツです。

佐川急便では実際に2010年10月から2011年1月までの4カ月間、ドライブレコーダーを装備している同社の5,500台の車両のうち継続してデータが抽出できた1,420台を追跡調査を行っています。そこでゆっくりアクセルを踏んだ回数を総発進と総加速を合わせた回数で割った「ふんわりアクセル度」が80%以上になった車両は、80%未満より3.42%燃費が良いという結果が出ています。

2010年は猛暑の影響でエアコンの利用率が高くなったものの、前年度と比べ0.03%燃費が向上したそうです。

ふんわりアクセル、本当に燃費がいいの?

アクセルをゆっくり踏み込み発進を行うふんわりアクセルを行うことで、本当に燃費が良くなると言えるのでしょうか?

アクセルをゆっくり踏み込むということは、逆に言えば急な加速を行わないということ。つまり、エンジン回転を上げすぎずにアクセルをじわっと踏んで加速することで、安定した速度での運転をすすめるものです。そのため、ゼロ発進から40kmくらいまでの速度帯で長時間の運転を行うと、かえって燃費が悪化してしまいます。もちろん、急発進・急加速は燃費を悪くするだけでなく、事故につながり危険です。

最低限のアクセル開度では瞬間的な燃料消費量は減少しますが、目的地に到着するまでの時間を要するため、かえって燃料消費量が増加します。また、都内などの信号や複雑な道が多い場所では停止と発進回数が増えるため、ふんわりアクセルを行うことが必ずしもエコや燃費の低下につながるとは言い難いかもしれません。

燃費向上とエコドライブを行うには、ふんわりアクセルで発進した後、足の裏全体でアクセルをほんの少し強めに踏み込み緩やかな加速を行い、アクセルペダルはほとんど動かさず、アクセルを一定化させましょう。

さらに、時速80㎞を越えると空気抵抗の負荷が大きく燃費低下に影響するため、50〜80㎞/hほどの速度で一定走行を行うと最も燃費に良いとされています。よく「高速道路での経済速度は80km/h」と言われているのも、安全運転を心がけることを前提とした上で燃費を良くするためでもあります。

ふんわりアクセルが事故を軽減する?

オートマチック車の場合、右側にアクセルペダル、左側にブレーキペダルと、2つのペダルが並んで配置されています。操作時には、右足だけでアクセルペダルとブレーキペダルを交互に踏み替えながら操作することが一般的な操作方法です。

アクセルとブレーキはどちらも踏み込む動作のため、間違える可能性も高く事故率も上がると言われています。間違って踏んだアクセルに心が動揺し、あわててさらに深く踏み込むことで事故が発生するのです。ブレーキとアクセルを細かく踏み替えながら徐行している状況で、頻繁なペダル操作に混乱して左右を間違える場合も。この時、意識と行為にズレが生じたとしても咄嗟の出来事で動揺し、それを訂正する余裕はドライバーにはほとんどありません。

また、車庫入れなどのバック運転時にも踏み間違いは多く発生しています。これは、ドライバーが後方を確認しようとして体をねじった状態のときに、アクセルとブレーキの正しい位置を把握できなくなることが原因なのだそう。踏み違いの事故は高齢者が多いと言われてはいますが、少なからずとも誰にでも可能性はあるのです。

交通事故総合分析センターによると、踏み間違え事故は国内だけでも年間7,000件以上発生しており、1万人以上の死傷者を出しています。ゆっくり踏み込む「ふんわりアクセル」で余裕を持った発進・走行を行うことは、このような誤動作で起こる事故の予防の効果も。

ふんわりアクセルは安全運転へつながる一歩

いつもの運転に余裕が出て自然と事故防止にもつながるエコドライブ。その中でもふんわりアクセルは発信時の燃費を抑えるには効果が見られそうです。

ただし、ふんわりアクセルの後はのんびり走るのではなく、短い時間で加速して一定速度で走ることが燃費向上への近道だといえるでしょう。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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