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リスクマネジメントのために必要不可欠な車両管理

「あ、今月はリースが満期になる・・!」「事故後の保険会社からの進捗がどうなっているかわからない・・」
車両管理にまつわる業務でこんなことはありませんか?車両は常に移動するものであり、管理者が見える場所にあるわけではないため、実際の管理はとてもむずかしいもの。 とはいえ、怠ることで大変なリスクを抱えてしまうのもまた事実です。

前回は車両管理とは何かをお伝えしましたが、今回はより具体的な対策や注意点について見て行きましょう。

リスクマネジメントのために必要不可欠な車両管理

管理を怠ることによるリスク

もし、ドライバーが業務遂行中に交通事故を起こしてしまった場合、この民法第715条での使用者責任の事項に該当し、また、運行共有者として損害賠償責任を負う可能性が高くなります。

民法第709条 故意又は過失によって権利又は法律上保護されている権利を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 民法715条{使用者責任}

  1.  ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。
  2.  使用者に代わって事業を監督する者も,前項の責任を負う

リスクマネジメント上からも、車両管理は非常に重要であることがわかるのではないでしょうか。車両は移動するものでもあるため、いつ・どこに・どんな状況であるかを把握するために車両管理のシステムや管理台帳を有効的に活用し、ドライバーと車両、そして会社を守りましょう。

見直しによる適正な管理

事業者での車両管理業務、それは車両の購入から始まり日々のメンテナンス、事故発生時などの履歴管理対応、車両管理規定の作成など各種書類申請から支払い申請といったことまで、自動車本体のみの管理だけではなく、ドライバーや運行に関する管理も含まれるため一口に車両管理といっても非常に多岐に渡ります。

車両管理業務として行うべきこと

・年間計画や予算策定
・車両管理データ構築・更新・各種問い合わせ窓口(規定説明、申請業務、その他)
・事故・故障時の対応(リース会社や保険会社と連携しスムーズに対応できる体制を作る)
・申請書のチェック、進捗管理・陸送・保管業務・走行距離管理
・給油・ETCなど各種カード管理・役員車管理・環境レポート作成
・リース車両申請書作成(リースの場合)
・名義変更手配
・法定点検案内、未入庫車両への督促
・各種請求書支払申請業務(リース料、保険料、修理費用、レンタカー代等)
・請求データ作成
・車両の点検・修理
・保険異動車両、付保台数管理
・事故・違反履歴管理
・安全運転管理者のサポートおよびドライバーの管理

このように羅列してみても非常に多くの業務がありますが、上記の項目からさらに細かい業務が発生します。安全運転のサポートを例にとると、データをもとに運転時間の把握や訂正な車両配置を行い、さらにはドライバーの体調管理(飲酒や眠気運転を防ぐ)や安全運転教育も含まれます。

では、どのように車両管理を行えば全てを網羅することができるのでしょうか・・?

 車両管理で必須な「車両管理台帳」とは

事業所側で管理する車両は社用車だけではなく、役員や社員が通勤時に利用しているマイカーやレンタル車両も含まれます。会社はリスクを回避する為にも、車両情報や車両の使用状況、保険の加入状況等の管理を行わなくてはなりません。

このような情報を可視化して“もしも”のリスクに備えるためのツール、それが車両管理台帳です。

車両管理規定の作成についてはこちらの記事をご参考ください。

車両管理台帳の項目は3つに分けることができます。

1.車両を特定する項目

(1)車両本体にかかわる項目(車両を特定する項目)

登録番号、車名、登録年度と番号、型式、車台番号、色、定員数

(2)購入・廃車にかかわる項目

購入年月日、購入先、新車・中古車区分、廃車年月日

2.車両の状況を把握する項目

(1)車検・整備状況にかかわる項目

車検有効期限、定期点検記録、整備工場名、整備状況

(2)修理や事故のかかわる項目

(3)使用・管理にかかわる項目

使用部署、運転者、変更履歴

3.車両の保険に関する項目

(1)自賠責保険(保険年月日、保険会社、証券番号、保険金額)

(2)任意保険(保険会社、証券番号、保険期間、保険代理店、保険内容)

これらの項目以外にも使用するドライバーの情報や使用目的など、用途に応じた必要項目を記録します。自社の車両状況を十分に把握し、これらの業務を担う部署をそれぞれ明確にすることで業務の効率化と抜け漏れを防ぎコストの削減にも繋がっていくのです。

リースやレンタル契約の車両の場合、加入している保険やメンテナンスに要する費用など、契約内容によって変わってきます。また、車両を数台管理する場合、全車両の情報を検索した際にすぐ把握できるよう一覧にして管理するのが良いでしょう。定期点検や車検の時期、保険の更新時を一目見てわかるようにしておくと忘れることもありませんし、予算も立てやすくなります。

車両管理でチェックしたいポイント

さらに抑えたいのは以下の項目です。

運転日報は乗車日、使用前後の走行距離、使用者情報、使用目的、給油状況を記録し、日々の情報を把握するものです。これをもとに使用状況を把握することができます。これは車両管理を行う上でも必ずチェックしたいものです。

車両管理台帳で車両の定期点検記録の管理を行ったり事故に対応するマニュアルの作成などを行うために、安全運転管理者と副安全運転管理者の選定を必ず行い、公安委員会への届け出も忘れないようにしましょう。
安全運転管理者についての参考資料ダウンロードはこちら

また、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフのデータを活用した安全運転教育を行うことで、危険運転の回避や交通事故削減への近道にもなります。ドライバーの運転スキル向上や安全を管理する点でもあると非常に役立つものです。

車両管理を効率化させる

車両管理をするには、具体的にどのような方法があるでしょうか。車両管理システムやソフト、またはエクセルシートなどを活用し自社で全て管理をする、またはすでにノウハウを持っている専門業者に委託するアウトソーシング、車両管理BPOがあります。

自社で行う場合は車両管理ツールを活用しよう

自社で管理を行う場合は、先述したように担当部署と業務内容を明確にしなくてはなりません。また、車両管理における窓口を一本化するなど、全体の業務を可視化できる状態が好ましいと言えるでしょう。

エクセルを利用し、管理できる運転者管理台帳や車両管理台帳には以下のようなものがあります。こちらは無料でダウンロードできるので、テンプレートをベースに活用しながら使いやすいようにアレンジしてご利用ください。エクセルでまとめて管理する場合は、担当者をしっかり立て、車両情報、運転者情報、タスク情報、コスト情報、駐車場情報と言った情報のこまめな確認が必須です。

・安全運転管理管理支援チーム「Excel 運転者管理台帳・車両管理台帳

・ケアマネジメントオンライン「車両管理表

・ビジネスソリューション株式会社 企業を守る車両管理「各種車両管理シート

また、自社で管理する際に便利なのが車両管理システム。GPS機能で車両をリアルタイムに管理し、車検や法令点検のスケジュールもしっかり把握、チェックの抜け漏れを防止を徹底。日報や報告書の作成など面倒な事務作業もドライバーの走行データ記録を元に簡単に作成できます。

国内の車両管理システムについてはこちらの記事をご参考ください。

他社に委託をする車両管理BPO

車両管理BPOとは「Business Process Outsourcing 」の略で、専門のスキルを有した他社に外部委託をして車両管理を行うことです。中立性を保ち、車両管理ノウハウを所得していることが強みの外部委託。

社内に置く車両管理の担当部署の業務を軽減し、第三者目線から現状の課題解決について意見やアドバイスをもらえるのも利点と言えるでしょう。

車両管理とはリスク回避とコスト管理

車両管理を行うことは企業にとってのリスクを回避し、さらに全体の動きを把握した上でコストの見直しを行えることが最大のメリット。事故や故障を無くし無駄なコストの削減を行いさらなる業務の効率化が実現できれば、その分空いたリソースや時間を他の領域に活用することが可能になりますし、クライアントにさらなる価値を届けられることにもつながりますので、ここは決してないがしろにできない領域ですね。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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