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道路交通法改正であおり運転が厳罰化!抑えておくべきポイント

2017年に発生した東名高速夫婦追突事故、2018年の堺のバイクあおり運転殺人、2019年に起きた宮崎被告による常磐道のあおり運転殴打事件など、ここ数年であおり運転による悲痛な事故が激増しています。
ドラレコに鮮明に映された恐ろしい映像が拡散し、今では社会問題に。このような事件・事故を背景に、誰もが安全かつ快適に車で移動できる社会をと、6月30日から、道路交通法の改正により、あおり運転が厳罰化されました。なんと、地方では覆面パトカーのみならず、ヘリコプターも導入して取り締まりを行うとのこと。

この記事では、改正後の詳細と気をつけるべきポイントを解説します。

道路交通法改正であおり運転が厳罰化!抑えておくべきポイント

6月30日に新設!「妨害運転罪」とその罰則とは

6月30日より改正道路交通法が施行され、あおり運転をはじめとする「妨害運転」が厳格な取り締まりの対象になりました。違反行為を行うと、最大で懲役3年の刑に処せられるほか、前記違反行為を行い著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられるとともに、妨害運転をしたものは運転免許の取消処分の対象となります。

ポイントは「自身があおり運転をした」場合と「あおり運転によって相手を危険な目に合わせた」場合。前方の車の速度が遅いからと、気づかないうちに車間距離を詰めてしまったという人も中にはいるはず。今までは危険運転に対する明確な線引きがなく、個々のドライバーによって安全運転の尺度が異なっていましたが、今回の改正では、危険な運転を以下のように10の型で記されています。

妨害(あおり)運転の対象となる10類型の違反

・通行区分違反
右折・左折専用のレーン(車線)がある道路において、走行中の車両が専用レーンを利用せずに曲がった場合に適応される違反のこと

・急ブレーキ禁止違反
不必要な急ブレーキをかけ、後続車を危険な目にあわせること。

・車間距離不保持
前車に対し適切な車間距離を保たずに接近すること

・進路変更禁止違反
後続車両の進路を妨害する恐れがある危険な進路変更など

・追越し違反
左側からの追い越しなど

・減光等義務違反
過度なハイビームや執拗なパッシングで相手を不安にさせること

・警音器使用制限違反
不必要にクラクションを鳴らすこと

・安全運転義務違反
幅寄せや蛇行運転を繰り返し、走行を妨害すること

・最低速度違反(高速自動車国道)
高速自動車国道で最低速度に達しない速度で走行すること

・高速自動車国道等駐停車違反
高速自動車国道路上などで停車や駐車をすること

妨害運転罪に該当した場合、次のような刑罰と行政罰が科せられます。

対象行為刑罰行政罰
妨害を目的としたあおり運転を行った場合3年以下の懲役、または50万円以下の罰金免許取り消し(欠格期間2年)違反点数25点
妨害を目的としたあおり運転により、相手に交通の危険を生じさせた場合5年以下の懲役、または100万円以下の罰金免許取り消し(欠格期間3年)違反点数35点

いずれにせよ、一度の違反で免許取り消しとなります。警察庁の発表では、2019年に車間距離不保持で摘発された事例は1万5,065件にのぼり、前年から2,040件も増加したと言います。時折、ちょっと距離が近すぎでは?というぐらい車間距離を詰めている車両を見かけませんか?「急いでいて」「前方の車が遅すぎる」など、理由はさまざまですが、今後は車両速度に応じた車間距離をとらなければ、妨害運転罪の対象となる可能性もあるため注意が必要です。

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トラブルを未然に防ぐ3つのポイント

警察庁が2019年に実施したあおり運転に関するアンケートの結果によると、回答した運転者のうちの35%、つまり3人に1人が過去1年間にあおり運転の被害経験があると答えていました。あおり運転をされた場所は、約77%が一般道路、約23%が高速道路で、被害内容では、「後方からの著しい接近」が8割を超えています。
また、同年に一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が調査した危険運転と怒りに関するアンケート調査結果によると、9割以上の人が「運転中のイライラ」を経験しており、そのうち6割以上が「あおり運転」などの危険運転を起こす可能性がある予備軍になり得ることがわかりました。これらの事実を元に、運転時に重要なポイントをまとめました。

車間距離に十分気をつける

教習所で教えられたのは、一般道であれば速度から15km/hをひいた距離(例:60km /hなら45m)、高速道路であれば速度分の車間距離を空ける(例:100km /hなら100m)、というもの。とはいえ、運転に集中しているのにそんな綿密な計算ができる人はいませんし、目視でも簡単なことではありません。そこで目安として活用すべきが、◯メートルの部分を秒に置き換えることで安全な距離を保てるというゆとり車間距離「0102運動」。
その測り方は、たとえば、前を走る車が「電柱」を通過した時、その通過の瞬間を「0」とし、自分の車が同じ「電柱」を通過するまでに「2秒以上」数えることができれば車間距離が2秒以上あることになります。「1、2(イチ、ニ)」と数えると実際の2秒間より短い場合があるため、数えるときは「0、1、0、2(ゼロ、イチ、ゼロ、ニ)」と数えてください。ただし、この方法は雨天時など走行状況によって異なるため、場合によってはいつもより少し余裕を持った車間距離を心がけてみましょう。

自分の運転を客観視して、「思いやりを」

運転はその時の感情に左右されることも少なくありません。嫌なことがあってイライラしている時など、ついつい運転が荒ぶることも。自分では気づいていなくても、周りからは危険だと思われることがありますので、感情が昂ぶっている時、落ち込んでいる時などは一度深く深呼吸をして、心を落ち着けましょう。

とにかくトラブルを回避する

トラブル回避には、相手から悪い印象を持たれないことも大事。たとえば、追い越し車線を走り続けない、追いつかれたら早めに道を譲る、急な割り込みをしない、急発進や急停車をしないなど、ちょっとした気遣いによって、スムーズかつ安全な走行が可能になります。

厳罰化されたことで「証拠」がより重要に

昨今の悪質なあおり運転を受け、世間が道交法の厳罰化を求めていたことで、早急な改正道路交通法が施行されたと考えられますが、これらの違反を正確に判断するにはドラレコの映像や走行履歴など、「客観的な証拠」が必要となります。「あおっているつもりはないのに、相手が訴えてきた」−―厳罰化されたことによって、相手の捉え方一つで検挙される可能性があるためです。
事故とまでいかなくとも、時には、相手の勘違いによって妨害罪として訴えられることも考えられます。その際に、自社とドライバーを守り、正しい判決へと導くには映像が強力な証拠となります。昨今のあおり運転事故も、ドライブレコーダーの映像によって判決が下されました。妨害運転罪とあおり運転による事故を防止するために、企業はドライブレコーダーを取り付け、①普段のドライバーの運転状況を把握し、②あおり運転の制御に活用しましょう。

通信型で現在地も把握。次世代ドライブレコーダー

ドライブレコーダーは万が一の事故が起きた際に、映像という証拠を残せるもの…。使い方は、それだけでしょうか?日ごろから有効活用することで、事故防止に向けた適切な安全運転教育が実現できるのです。SmartDrive Fleetのドライブレコーダーは、一台で前後の様子が撮影でき、急操作発生時の映像をピンポイントで記録・分析できる、日本製のLTE通信型ドライブレコーダーです。

・GPS搭載で、地図上から映像を再生。急操作が発生した場所、理由が明確になり、事故防止対策やヒヤリハットマップの作成に活用できます。

・急ブレーキや急加速など、急操作が発生した前後10秒の様子が保存されます。いつ・どこで・どんな危険な挙動があったのか、膨大な映像データから探し出すのは手間がかかりますが、危険な挙動のみであれば素早く確認できます。

・高画質の超広角レンズにより1台のカメラで前後どちらも録画できます。両方を記録することで、急操作発生時の状況を正確に把握できます。

「あおるつもりはなかったが、ちょっと急いでいたので車間距離を詰めてしまったかもしれない」「運転に慣れているからか、つい急操作を繰り返してしまう」など、トラブルを未然に防止するには、現状と原因を把握することが重要です。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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